強い大統領 2016 8 6
オバマ大統領は、強い大統領か、弱い大統領か。
実は、強い大統領です。
確かに、外交では、「弱腰」と言われますが、
内政では、保守派が嫌がるリベラルな政策を次々と実施してきたのです。
そうすると、多くの人は、こう思うかもしれません。
議会には、保守派がいないのか。
実は、議会には、保守派が存在しています。
しかも、議会の上院も下院も、野党である共和党が多数派です。
有権者としては、怒り心頭でしょう。
「何のために、共和党に過半数を与えたのか」
こうした怒りが、トランプ氏の台頭を招いているのです。
2016年8月6日の読売新聞には、このような記事がありました。
共和党主流派のロビイストは、
「有権者は、上下両院で過半数を占めているのに、
成果を上げられない共和党指導部に大きな不満を感じている。
トランプ氏は、こうした不満の受け皿を提供している」と分析している。
GOPの内戦 2016 5 8
ここでいう「GOP」とは、
「Grand Old Party」、つまりアメリカの共和党のことです。
書名 トランプが日米関係を壊す
著者 日高 義樹 徳間書店
「オバマ大統領は、強い大統領か、弱い大統領か」
外交や軍事に関しては、
「弱い大統領」と見る人が多いですが、
内政に関しては、強い大統領かもしれません。
連邦議会では、上院も下院も、
野党である共和党が多数派となっています。
普通ならば、このような情勢になると、
大統領は、身動きが取れなくなってしまいます。
にもかかわらず、オバマ大統領は、
次々と、リベラルな政策を実現させてきました。
だからこそ、オバマ大統領は「強い大統領」と見るべきか。
しかし、著者の見方は違います。
オバマ大統領が強いのではなく、
共和党の指導者たちの政治力が弱いのではないかと見ています。
今、共和党の指導者たちは、
エスタブリッシュメントと呼ばれる、
共和党の古参勢力の権威と利益を維持するために動いていますが、
一方で、共和党の党員たちは、エスタブリッシュメントに反発する党員も多いのです。
さて、共和党の内戦は、どうなるか、わかりません。
すでに、「共和党のエスタブリッシュメント」と「茶会派」の戦いがありました。
今は、「共和党のエスタブリッシュメント」と「トランプ氏」の戦いです。
共和党を好意的に見れば、
共和党は、新陳代謝の激しい政党と見ることができます。